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2013年11月28日木曜日

視点を変えると新しいビジネスになる。

視点を変えると新しいビジネスになる。
看板業のユーザの方で今日実際に聞いた話です。

サイン業。(その方はデイスプレイ業)
昔は筆、刷毛とペンキだけで看板業を始められた方も多いかと思います。
そして、オリンピックに始まり、高度成長期イベントが集中し、イベント、デイスプレイ業はそれはそれは儲かったらしい。
今では、限られた大型企業に仕事が集中して淘汰されてきたとの事ですが、この方は時代、時代の節目の時代の変わるタイミングをしっかりと見定めています。

一つは手書看板から、印刷への転換期。
昭和の初期の新聞を象徴するようにモノクロ主体の印刷物が出来るようになった。
只、印刷物は新聞を除き、A3サイズ程度の小さいものしか刷れなかったようです。
この頃の大きなビジネストピックは映画ブーム。映画館の前で大きな手書き看板を見た方も多いのではないだろうか。この方はこの仕事もされていました。
その頃、この方は儲かったお金で訪米された。そこで出会ったのは手書きではなく、超大型の印刷物。印刷方法は判らなかったらしいが、この時、時代は手書きから印刷に変わると目覚められたそうだ。

2つ目は上記にも書いたイベントに特化したビジネスへの転換。
30代の頃は商店街の看板を主体に職人として仕事をされていたようですが、大阪万博を見に行かれてから、これからの時代は展示会の設営ビジネスだと思い知らされたらしい。
今までに無いものを作る職人魂に心を打たれたらしい。

そして、このどれも直ぐに実行された。
名前は書けないが、とある業界の組合協会の理事長だった方の話。

時代時代を見抜く能力と実行力。
新たなビジネスへの勝算は常にあったのかをお聞きしたら、「そんなのは無い。自分が好きだから初めたんだ。」直感なんでしょうが、自分が出来る事をきちんと把握され、決断されているのでしょう。
それが、お聞きしていてしっかりと伝わります。
 
そして今、改めて筆を取ったそうです。
今のクライアントは海外のネット客。
何を販売しているかと言うと日本語の「書」
室内インテリア用やTシャツプリントなどに求めるユーザーが一杯いるのだとか。

時代が代わり求める顧客も変わる。
その時代の転換期を見極める事だと教えられた。

ちなみに、報酬がA1サイズの「書」で10万。
この方は書道の先生でも何でもありません。
海外の漢字ニーズの高まりもあるが、しっかりとニーズに向き合えば新たなビジネスを生むという事を学んだ。

この方70代後半の方ですが、慶應ボーイ。職人気質とインテリ性を持ち、今でも本当にかっこいい。