当初は環境問題を真剣に考え個人宅での設置が中心でしたが、現在はメガソーラーから、事業社屋の屋上の活用までソーラービジネスとして展開され、活用範囲が着実に広がってきています。
そもそも、日本国内のソーラー需要自体は海外を含めて見た場合、大きな出遅れ感がありました。
それが、東北大震災から始まり自然エネルギーの見直しの必要性から固定価格買取制度まで広がり、一気に加速化した状況になっています。
只、皆さんは何時までソーラービジネスが伸びていくものと思ってますか。
この点にはいろいろな見解が出ていますのでご紹介します。
一つはこのブームも後、1-2年であろうとの見解。業界で言われる所の2015年危機というものです。
原因となる1つは買い取り価格、もう1つは、税制に関わるものです。
■プレミア価格
2012年度に始まった固定価格買い取り制度の初年度価格は、税抜き40円(税込みで42円)となりました。当初の目論見では「30円台後半」が一般論であったようですが、40円になった背景には、「施行後3年間は、再生可能エネルギー電気供給者の利潤に特に配慮する」という基本方針があったようです。
逆に言えば、制度施行の最初の3年間は、「プレミアム価格」が設定されたと言う事。
この買取価格自体が、ソーラー利用を索引している事は大きな事実でしょう。
そのような背景の中で、今年度、2013年4月から2014年3月までが制度の2年目であり、産業用の価格は、税抜きで1割削減され36円(税込み37.8円)となりました。一般的にはこの価格帯が初年度の想定価格とも言われてますが、初年度の価格設定が高かった為、値下がり率の大きさに今後の不安感を持たれた方も多いのではないでしょうか。そして時限期間である3年目の2015年以後がどのような価格設定がされるかが大きな山場となる事は必至であろうかと思います。
■一括償却制度
電力買取制度と合わせてもう一つ注目すべき大きな施策がありました。
税制を積極的に活用し節税しようとする方でないと制度自体を知らなかった方も多いかと思いますので改めて。
この制度は、2011年6月30日に、「太陽光などの再生可能エネルギーに対する投資を促進する」目的で施行された「グリーン投資減税」であります。
中でも、特に大きな影響があるのが、「即時一括償却」制度です。
これは、法人または個人(青色申告をしている者)を対象に、太陽光発電などの設備の取得価額の全額を一括して償却できる特別措置です。
利益の出ている企業や高額所得者の中には、買い取り価格よりも、この「一括償却制度」に注目し長期投資に踏み切った方も多いのではないででしょうか。
太陽光発電の場合、普通償却の期間は17年となるようです。
尚、正確には17年となる根拠に関してしっかりと押さえておく必要がありますので以下簡単にご説明をば致します。ビジネスの根底が大きく変わりますのでご注意ください。
一般的な解釈としては 太陽光発電は自家発電設備の一種であり、「機械および装置」に該当するとの見解です。
この場合の自家発電設備は、一般的には相当の規模を有し、かつ、その使用可能期間が比較的長いこと、および各工業設備の法定耐用年数の算定の基礎に含まれていないことから、各工業設備とは区分して別途掲げられている耐用年数を適用することとされています(耐用年数の適用等に関する取扱通達1-416)。
具体的には、減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第2に、自家発電設備として「346電気事業用水力発電設備」、「347その他の水力発電設備」、「348汽力発電設備」、
「349内燃力またはガスタービン発電設備」が特掲されていますが、太陽光発電はこれらのいずれにも該当しませんので、「369前掲の機械および装置以外のもの…」の「主として金属製のもの」の17年を適用されます。
「349内燃力またはガスタービン発電設備」が特掲されていますが、太陽光発電はこれらのいずれにも該当しませんので、「369前掲の機械および装置以外のもの…」の「主として金属製のもの」の17年を適用されます。
しかし、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」で「23 輸送用機械器具製造業用設備」の9年が適用されるというように法定耐用年数の見解が異なる場合もありますので正確には事前に税務署に確認される必要があります。
さて、
例えば、50kW程度の分譲ソーラー施設は2500万円弱程度で販売されているものが多いようです。(あくまでも発電施設であり住宅ではありません。)その金額から土地代や保守代などを除いた本体部分はだいたい1500万円前後になります。
このような物件を取得した企業や個人の場合、普通の償却(定額法)では、毎年88万円ずつ17年間かけて償却することになりますが、償却額は、損金として落とせるので、その分税金(法人税/所得税+地方税)が減額されることになります。
普通償却なら17年間に少しずつとなりますが、グリーン税制による「即時一括償却」を活用すれば、1500万円全額を1年で償却できるので、そのメリットは大きなものになります。
仮に、ある個人の課税所得が1500万円だったとすると、本来なら所得税と地方税合わせて合計税額は500万円程度になりますが、個人投資家が、1500万円を即時償却すれば、課税所得はゼロとなり、従って、税金もゼロとなります。
そして、翌年以降は36円換算で年間約210万程度の収益となります。
初年度で投資回収でき、翌年以降100%利益になる。こんなビジネスは無いですよね。
正確には保守費用は掛かるので100%ではありませんが僅かでしょう。
ちなみにパネル発電効率は年間1%程下がると言われてます。10年で10%ダウンですね。
そんな事もあり、大型投資のメリットは大きいのですが、この制度は、当初2013年3月で終了する予定でしたが、2年延長されその結果、終了するのが2015年3月となります。
要するにこのままでは2015年3月には買い取り制度の「プレミア期間」が終了、グリーン税制による「即時一括償却」も終了のダブルパンチになります。
今、家庭用一戸建の屋上設置を検討されている方は特に問題は無いかと思いますが、土地活用でソーラー発電を検討されている方は今の流れの勢いを冷静に見る事、そして今後の税制施策を注視していく事をお勧めします。
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