私のMacintoshとの出会いは28年前に遡ります。
確か、Plus,SEが販売された頃かと思います。
当時のMacは車が買える程高く、本体だけで100万近くしたと記憶しています。
メモリ、HDDだけでも数十万もしていた時代です。
当時のMacのI/FはSCSI,LocalTalkを持っており、Deviceがネットワーク構築できる基本コンセプトを既に持っていました。今から考えても先進の技術が投入されていました。
しかし、世の中はPC98の時代。Macは特別な人の道具でした。
そして、丁度その頃にA4 Scanerを発売開始しました。
実は、発売当時、製品は出したものの、何に使ったらいいかいいのか開発したメンバーも、営業も理屈は判っているものの、明確な用途が見いだせずにいました。
何故なら、スキャナーはフルカラーなのですが、PC(PC98)は256色カラーの時代。
ましてや、メモリがGBではなくメガの時代。MacでLCも確か4Mbyte程度でなかったと思います。
初期のテレビゲーム(例えば、インベーダーゲーム)を知っている方なら判るかと思いますが、粗い点(bitmap)の集まりで画面表示するものでした。
そんな中でフルカラー400dpiどう使うのか?時代を先取りしてしまった製品だったのです。
そんな中、ある問い合わせから世界が進展しだします。
それは某、世界的に有名な複合機メーカーの開発担当者から。
下丸子にある第2開発部〇〇タスク・・・・。
ここではMacを使って画像処理をするシステムを研究しており、MacにSCSI接続できかないかと。それもhypercardでの画像ファイルならまだしも、photoshopでフルカラー処理なんて見た事もない時代です。流石に驚きです。今で言えば最新のCGってとこでしょう。
これが、私とMacとの初めての出会い。そしてデザインという仕事を初めて知るきっかけでもありました。
本当にスキャナーの必要性が認知され市場が拡大したのはそれから数年してQuadraが出た頃からでしょう。
今でこそ2万円程度で買えるスキャナーですが、当時は26万もしてました。
その当時、PCよりも周辺装置が飛ぶように売れる事を誰が想像していたでしょうか。
そう言えばスキャナをプロのデザイナーの方がどう使っていたか皆さん知っていますか?
一番多いのがイラストレータの下絵の取込みなんです。
そして、デジタルでデザイン画を作成していくのがデジタルアーツです。
30年前後から始まったデジタル化の波。
製作現場はアナログからデジタルへ。
デザインという現場は確かに機器自体はデジタル化しているように思います。
しかし、感性は逆にアナログな発想が必要とされております。
機器は使いこなすものであり、使われるものではない。人間、クリエーターにはクリエータとしての仕事があります。
温故知新。デジタル時代に逆行するように、人と人との暖かさを求めて。
そして、改めてデザインというビジネスを考えた場合、デザインは単に形作る事では無いように思います。
広い意味では人間の生き方、考え方から始まり、仕事の環境では企業価値間、業務フロー、人材育成なども「デザイン」ではないでしょうか。
問題を解決する為に思考、概念の組み立てを行い、それを様々な媒体を活用して表現していく。
単に見える形を追い求めるのではなく、人の生き方、職場環境に影響を与えられるような「デザイン」の力を求めていきたいです。
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