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2013年10月14日月曜日

住まい資産活用方法

 一度購入した夢のマイホームも、子どもが成長し独立した後は、夫婦二人だけで暮らすには広すぎたり、独立した子ども部屋は物置状態になっていたりして、現在のライフステージにそぐわなくなっているケースがあります。また、定年を過ぎる頃になると、加齢によって段差や階段などで日常の生活に支障が出てきたり、築年数も長くなり老朽化が目立ってきたりします。
年配の方は、リフォームをしようか、建て替えようか、それともいっそのこと、家を売ってしまって、有料老人ホームに入ろうかと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。いずれの選択肢を取る場合でも、ある程度まとまった資金が必要になり、老後の生活費や介護費用など将来への不安と重なり、なかなか実行に移せないのでしょうか。
 マイホームは、住まいとしての使用価値はあるけれども、お金を生まない資産です。中には、固定資産税やメンテナンス費用がかかり、負の資産とさえ言う人もいます。そこで、マイホームを資産活用する方法を紹介します。

一般的な順に説明していきますと

●マイホームを貸す
自宅をそのまま賃貸契約にする方法です。
この場合も単に貸し出す方法と定期借家権を設定して賃貸する方法があります。、定期借家権は一定期間後に確実に立ち退きをしてもらいたい場合などには有効です。
一般の賃貸契約ですと、住んだ人の権利(居住権)が優先保護されます。

●マイホームを貸す(マイホーム借上げ制度)
 一般社団法人移住・住みかえ支援機構が運営するマイホーム借上げ制度は、移住や住みかえを希望する50歳以上の国民等が保有するマイホームを、移住・住みかえ支援機構が終身もしくは一定期間借上げて一定の賃料を保証します。一方、これを子育て世代に転貸することによって、シニア層のマイホームを社会資本として有効活用しようとする制度です。

 住宅を貸す方法は、マイホーム借上げ制度によらないでも行うことはできますが、期間や家賃が保証されず、賃貸経営をすることと同様の煩わしさがあります。その点、移住・住みかえ支援機構が管理を行うマイホーム借上げ制度は、市場価格より低くなりますが、一定期間の家賃保証が見込めます。

●マイホームを買い換える(ダウンサイジングする)
 子どもの独立によって、広いマイホームが必要でなくなった場合、マイホームを処分して、新たに手ごろな広さの住宅を購入する方法です。売却した価格と新たに購入した住宅の価格の差額は、老後資金に充当することができます。
売却価格と購入価格の差額分があまりなく、メリットが少ないと感じられる場合でも、固定資産税やメンテナンス費用、冷暖房費用などのランニング・コストを含めて考えてみると、よりメリットが大きくなる場合があります。駅から少し離れた一戸建てから、駅に近い手ごろな広さのマンションへの住みかえは、利便性があがり、掃除する手間も軽くなり、コスト面だけではないメリットもあります。

●マイホームでお金を借りる(リバースモーゲージ)
 リバースモーゲージは、マイホームに住み続けたまま、これを担保にして資金を借り入れ、元本と利息の返済は、死亡時に担保であるマイホームを処分して清算するものです。最初にまとまったお金を受け取る一括借入方式と毎月決まった金額を受け取る年金方式があります。リバースモーゲージのメリットとしては、長年住み慣れたマイホームに住みながら、資金を得ることができる点です。

 代表的なものとして、厚生労働省が都道府県社会福祉協議会の協力のもと実施している「不動産担保型生活資金」があります。東京都社会福祉協議会の場合、貸付月額は30万円以内で3ヶ月ごとに交付されます。貸付限度額は担保評価の70%で、貸付金は貸付元利金が貸付限度に達するまでです。貸付金の利率は、年3%または当該年度における4月1日時点の長期プライムレートのいずれか低い方となっています。

 リバースモーゲージは戸建て住宅の扱いが原則ですが、一部の銀行では、マンションでも利用可能になっています(個別の事情により判断されます)。リバースモーゲージはあくまでも「借入」なので、利息がかかる点は注意が必要です。

●マイホームを貸しやすい資産に換える(資産の入れ換え)
 マイホームを人に貸して老後資金を得ようとする場合、広い住宅だと、なかなか借り手が見つからないことが多いです。また、不動産投資という視点で見ると、投資(マイホームの資産価値)に対して、そこから得られる収益(家賃)は、一般的な不動産投資よりも、かなり利回りが低くなります。そこで、マイホームを売却し、中古のワンルームマンションを複数戸購入して賃貸に回し、その賃料を老後資金に充当します。

 愛着のあるマイホームを手放すことは勇気のいることですが、マイホーム一戸を賃貸に回すことと比較すると、収益性の点でも、空室リスクを抑えるという点でも、メリットがあると言えるでしょう。マイホームに戻る予定がない、子どもが住む予定がないということであれば、マイホームをより「キャッシュを生む資産」に入れ換える、という視点を頭の隅にでも良いので置いてみてください。

 一度手に入れたマイホームは、老後も住み続けるのが一般的でしたが、「使用する資産」から「キャッシュを生む資産」に変える手段も増えてきました。住まいをいざという時、お金に変えられる方法を考えておく事と自身の不動産価値が幾らくらいなのかを把握しておく事が大切ですね。

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