NHK朝ドラ「朝が来る」
今、毎日クギ付けです。ストーリーも去ることながら演出も目をひきつけます。
ところで、私はこの番組を2つの視点で見ています。
一つは純粋にドラマとしてのストーリーの楽しさ。
もう一つはビジネスを行う上で、「商売人」として必要な資質を養う事。
今の時代、商売人と経営者はちょっとニュアンスが異なるかも知れませんが、ビジネスをしていく上で必要な資質はどれも共通なように思います。
何点か興味深い点を挙げましょう。
1.出会い
出会いは積極的に出会う機会を作る事も大切ですが、運命的な出会いというのも感じます。只、その出会いの際に自分というものを如何に伝えられるか。人間誰しも虚栄心もあろうかと思います。本当の自分、裸の自分を素直に出せる人はいつも自然体でいるのではないでしょうか。人に左右されず、自分の意見を言える人。中には変人扱いされる人もいるでしょうが、それがその人のありのままの姿です。見栄を張っていると大変疲れます。ちょっとした時間であれば、何とかなりますが、長い時間一緒に仕事をするような関係では決して長続きしないでしょう。「身の丈」と言う言葉がありますが、背伸びをしないでありのままの姿でいる事が本当の自分を知ってもらうのは大切な事だと感じます。
何か伝わる事があれば、人の心に必ず届くものです。それが「縁」だと感じます。
2.物事の本質を探ろうとする気持ち
主人公の妹「あさ」の口癖は「何故?何故?」ですね。
人々は納得できない事でも社会の通例であったり、常識だという既成概念で物事を捉える事が人間関係をスムーズに行う得策のように考える所があろうかと思います。
このような中で物事に対して「何故?何故?」と問い掛けられると答えに困る事も多々あろうかと思います。小さなお子さんがいる家庭で子供から「何故?、何故?」と質問攻めにあって疲れ切っているお母さんはいないでしょうか。子供は純粋であり、探究心が強いので聞こうとする。本当はこの気持ちを育てる事が親の役目だと思います。しかし、何故か子供に付き合い切れず、適当に曖昧にしてしまう事が多いのではないでしょうか。
Sonyの開発陣の中にも「何故?」を3回繰り返し、本当に導きだした答えが真意なのかを確かめる文化があったように思います。
「本質=物事の根っこ」がきちんと整理できていればニーズから大きく外れる事は少ないものでしょう。
諺で「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」と言うのもありましたね。
3.「今より少しでもみんなが幸せな世の中の実現」の為に
商売をする上で、自分だけが裕福になるようでは誰も共感してくれません。
その気持ちはちょっとした事かも知れません。只、大切な事はその気持ちを素直に言葉にし、自ら行動する事ではないでしょうか。
社会が必要としている事を感じ、人の為に働く。結果として「ありがとう」と思われる事はあろうかと思いますが、決してその為に動かない事。その為には自然体の自分で常に行動する事と感じます。
4.姉「はつ」と「あさ」の生き様
姉「はつ」は立派な女性です。このドラマを見る限りでは素直で真のあるとても素晴らしい女性であると感じます。一方「あさ」は破天荒な暴れん坊な時代には合わない女性像に感じます。しかし、このドラマの中では従順、謙虚、素直な性格が姑の時代認識の甘さと、見栄っ張りから来る強欲に対抗できず、翻弄されていく様が描かれているように思います。これは単に時代の変わり目だったからと言うので無く、その苦境を生きる対応力が
薄かったのかもしれません。ここから学ぶ事は生き抜く力とは環境の変化に柔軟に対応できる力のように感じますが決して「はつ」の力不足ではありません。言い換えれば「はつ」の力を封じ込めていた姑とそれを良しとしていた周囲の弱さでしょう。結果として山王屋は潰れてしまいました。この番組ではネガテイブな見せ方は一切していませんが、人生の生き方の選択によって人生、商売がこんなにも違ってくるという事をしっかりと見せてくれているように思います。
5.商売とは
この一言が全てのように感じます。
「商売いうんは、先を見る目と、その道を貫く覚悟がのうてはあかん」
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